子供を怒っていたら子供の可能性を殺してしまう
こんにちは。
まつぽんです。
今回は「子供を怒る親の心理」についてお話ししたいと思います。
皆さんは子供を怒ることが良いことだと思いますか?
「怒らないと躾けられないから怒ることは必要だ」
そのように考える親が多いのではないでしょうか?
しかし、「怒る=躾ける」ではありません。
また、「怒る=叱る」でもありません。
躾けるの意味とは「人間社会・集団の規範、規律や礼儀作法など慣習に合った立ち振る舞いができるように、訓練すること」です。
叱るの意味とは「良い方向へ導こうという指導」です。
躾けるも叱るも「社会ではこのように振る舞うんだよ」と教えることなのです。
そこに怒鳴ったり、ましてや叩いたりする必要はありません。
しっかりと子供の顔を見て説明すれば良いのです。
しかし、多くの親が子供が自分勝手な行動をすると怒ります。
怒鳴ったり、頭を叩いたり、
「あんた何考えてんの?バカなことはやめなさい」
などと子供を罵倒します。
これはとんでもないことです。
絶対に子供を怒らないでください。
小さな子供は自分が間違っている行動をしているのかどうかなんてわからないのです。
知らないことをして怒られても怯えて萎縮します。
否定され続けると最終的に自分に自信が持てなくなります。
こうなると将来大成できなくなってしまいます。
例えばあなたがアメリカに行きホストファミリーの家に泊まったとします。
冬の時期で外はとても寒いです。
寒いなーと感じていると、鼻水が出てきたので鼻をすすります。
するとホストマザーが突然あなたの頭を叩きました。
「なに鼻をすすってるの!汚い!鼻をかむのが礼儀でしょ!」
アメリカでは鼻をすするのは無礼とされ、たとえ人前でも鼻をかむのが礼儀とされています。
しかし、そんなことはあなたは知りません。
悪気なくやった行動を突然否定され、怒鳴られ、殴られたのです。
そんなことされたらかなり悪い気分になると思います。
そんなことをされ続けたら自分の行動がすべて間違っている可能性があると怯えるでしょう。
どんどん自信がなくなり行動できなくなってきます。
それは自分の子供に対して怒鳴るのと同じです。
「躾けだから怒らないと体に染み込まないでしょ」
なんてもう言いませんよね?
自分の身に置き換えたら分かるはずです。
子供はアメリカに初めて行ったあなたと同じです。
何が正しくて間違っているかなんて一つも知りません。
街中の人が多い場所で大声を出すことがいけないことなんて知りません。
スーパーの会計前の商品をポケットに入れることが犯罪なんて知りません。
友達から嫌なことを言われたとき殴ることが間違っているなんて1ミリも考えません。
だって知らないんですもの。
私が小学校低学年の時の話です。
当時あるトレーディングカードゲームが流行っていました。
当然私も私の友達もみんなやっていました。
するとカードを盗むということが頻繁に起こるようになりました。
高学年がカードを盗んだらしい、とか
〜君がレアカード盗んだらしいよ、とか
頻繁に耳にしました。
当時の私はカードを盗むことはみんなすることだと思いました。
誰かの物を盗むことは悪いことだとは分かっているつもりでしたが、「みんながやっていることだからそれが普通」と思ってしまっていました。
私は母にその話をなに食わぬ顔でしました。
「〜君が〜君のレアカード盗んだんだって。いいなー」と。
私の母はとても驚いた顔をしました。
その時の顔は今もよく覚えています。
その顔を見た瞬間、今の発言は只事ではないのだとわかりました。
母は真剣な顔で、声のトーンを落とし私に言いました。
「カードを盗むなんて絶対にやってはいけないことだよ。絶対にしないでね」と。
私は改めてカードを盗むという行動が間違っている行動だと認識しました。
それがたとえ多くのクラスの男子がやっている行動だとしても間違っているのだと理解したのです。
私は怒鳴られることなく事の重大さに気付きました。
私の例のように、子供が間違ったことをしたら説明してあげればいいのです。
子供は基本自分が正しいと思ってやっています。
間違っているなんて思いませんし分かりません。
それを急になんの説明もなく怒鳴られたらどう思いますか?
嫌な気持ちになりますよね?
反抗したくもなりますよね?
「うるさい、クソ親父!」なんて言ってしまうことも当然あるでしょう。
すると「なんだその態度は!」とまた怒鳴られ、負の連鎖に陥ります。
自分が間違っているなんて思いもつかない親はこう思います。
「なぜ我が子はこんなに悪い子に育ってしまったんだ」と。
原因はあなたですよ。
子供を育てる上で一番影響力があるのは親です。
「なぜこんな子に?」と思ったなら、まずは自分の行動を省みてください。
もう一度言います。
子供は怒らないでください。
子供を躾けるときは「子供に説明する」のです。
「なんでそれがダメなのか」
「どうしたら良いのか」
それを理論的に説明するんです。
しっかり顔を見て説明したら子供は必ず聞きます。
子供はたくさん叱られるようなことをするでしょう。
また同じ失敗を繰り返すこともあるでしょう。
それでも決して怒らず説明するのです。
それは親の義務です。
子供を躾けることが面倒臭くなり、感情的に怒ったり、叩いたりする親は義務を放棄しているのと同じです。
怒れば子供はすぐにおとなしくなるので楽です。
しかし、それは子供にかなりの負担がかかっているんです。
絶対にしてはいけません。
このマインドをしっかり持ち、子供はしっかり説明して躾けるものという考えを頭に入れておきましょう。
これだけで、子供は自信を持つようになりすくすくと育っていきます。
最後に、怒ってもいい2つの場合をお伝えします。
子供を怒ってもいい時とは
子供が悪意を持って行動した時
子供が命の危険のある行動をした時
です。
子供が悪意を持って何かをしたとき、これは怒ってもいいです。
悪いと分かってスーパーで万引きをしたときなどです。
悪意を持っている時に怒られた子供は、その叱りを受け入れることができます。
なぜなら自分が怒られるようなことをしていると分かっているからです。
自分が怒られるようなことをしている時に怒ってくれる親には逆に将来感謝されることもあります。
「あの時叱ってくれてありがとう」と、自分を悪い道から引き戻してくれたことに感謝するのです。
もう一つ、命の危険がある行動をした時は怒ってもいいです。
なぜならこのような危険な行動は恐怖という感情を持たせてでも止めるべきだからです。
子供に悪意はないためなぜ怒られたのかは分からず嫌な気持ちになるでしょうが、それでもその子の命が無くなるよりはマシです。
危険な行動をとったときは怒鳴ってでも止めてください。
以上、怒ってもいい2つの場合についてでした。
このような場合は怒ってもいいですが、それ以外の場合は怒らないようにしましょう。
子供としっかりと向き合って説明するのです。
それが親の義務であると心得ておきましょう。
これは簡単なことではありません。
ついつい怒ってしまうこともあるでしょう。
そんな時は「さっきは感情的に怒ってごめんね」と子供に伝えるのです。
そうすれば子供は納得してくれます。
自分も行動を正そうとしてくれます。
こうやって子供を尊重して、怒鳴ったりせず説明してあげることで、子供はどんどん自信を付けて行き、将来はいろんなことにチャレンジする立派な大人になるんです。
子供をすくすく育てることを意識して子供との接し方を今一度見直してみてはいかがでしょうか?